お国自慢

地下鉄に乗ったのはいつぶりだろう。田舎暮らしに慣れたのか、人混みにも新鮮な感覚がある。

千葉県幕張で開催中の日本地球惑星科学連合大会に参加した。国内外から7000人以上が参加する巨大な学会だ。

ジオパーク関係者だけでも250人以上が集まり、連日会議や発表会で賑わっている。

現在、日本には室戸も含め39のジオパークがある。火山地帯の温泉、石灰岩地帯の鍾乳洞、豪雪地帯の雪の壁。各地の自慢話をうらやましく聞くと同時に、地震と火山が造り上げた日本列島の環境の多様性をあらためて感じる。

一方で、ジオパークの在り方についての話題も多かった。

最も大切なのは、いかに貴重な地質遺産を有しているか、ではない。住民が自分の土地の特徴や価値を理解し、保全や活用に動いているか、である。

参加者の中には、研究者でも行政職員でもない、一般人としてジオパークの活動に関わっている方々の姿もあった。彼等の語りは一際、地元に対する誇りと愛に満ちていた。  数百人が並ぶ地下鉄のホームで、ここにいるどれだけの人が地元を熱く語れるだろうかと考えながら、帰路についた。